国産初のジェット旅客機「MRJ(三菱リージョナルジェット)」を開発している三菱航空機は26日、現行の座席数「90席」タイプを小型化した新型機「70席」タイプの試作機を製造していることを正式発表した。米国の基準に合わせ、市場への投入時期の前倒しも視野にある。(小野田潤)
愛知県豊山町の組み立て工場で同日、4つのパーツに分けて製造した胴体をつなぎ合わせる70席タイプの製造工程が公開された。今後、主翼やエンジンなどを取り付け、初飛行を行う。
従来は90席タイプの納入から1年後をメドに70席タイプを市場に投入する計画だった。だが、米航空大手は地域路線を飛ぶ旅客機を「76席以下」にする取り決めを組合側と結んでおり、MRJの70席タイプを求める声が上がっていた。
90席タイプを巡っては、2015年11月の初飛行からの飛行試験は、計660時間に達した。就航に必要な「型式証明」を日米で取得するには2500時間が必要と見込んでいたが、度重なる設計変更の影響で飛行試験の時間も増える見通しだ。今後は、米国に持ち込んだ計4機の試験機で1日に3回、計6時間以上の飛行試験を行うという。
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